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日本酒用語集

こちらでは日本酒にまつわる用語をご紹介しております。
日本酒をもっと楽しみたい方、日本酒のことを勉強されたい方におくる雑学辞典です。

秋晴れ・秋落ち

一般の酒造工場では、新酒は大体4月中には火入れも終わり、それ以後、気温の上昇とともに熟成します。火入時期の遅れ、貯蔵条件の不良などの原因により、秋になって味がダレたり、過熟に陥ったりする場合があります。このことを秋落ちするといい、その他新酒でアミノ酸の多い酒、phの高い酒は熟成が早くて秋落ちしやすく、軟水で仕込まれた淡麗酒も秋落ちしやすいといわれています。逆に秋になって、香味が整い味もまるくなって酒質が向上してくることを秋上がりするとか秋晴れするといいます。軟水、クロール(塩素イオン)の多い水で仕込まれ、強い健全発酵をした酒は新酒時に多少風味のあらい酒であっても秋上がりするといわれています。

甘辛(甘口・辛口)

日本酒の味を表現するときもっとも普通に使われる言葉です。糖分が多いときは甘口に感じられ、少ないとき辛口に感じられます。日本酒中の糖分と「日本酒度(日本酒の比重の指標)」はよく対応しており、日本酒度は甘辛の目安として用いられます。

アミノ酸

タンパク質の構成成分です。日本酒には原料米由来もしくは酵母が生成するアミノ酸がとけており、味にコクやふくらみを与えています。しかしアミノ酸が多すぎると、雑味が多すぎて飲みにくい酒になります。

荒走り(あらばしり)

清酒もろみを圧搾ろ過して酒と「かす」に分離することを圧搾または上槽(じょうそう)といいます。以前はもろみを酒袋に詰めて槽(ふね)の中に並べて搾ったので、上槽とか酒揚(さけあげ)とか槽掛(ふなが)けという言葉が使われていました。もろみは始め酒袋に詰めて揚槽(あげぶね)に並べて積み重ねます。最初に出てくる酒は白く濁っているので、これを小さい別の桶に入れておいており引きをしたり、もろみタンクに戻して、もう一度搾り直したります。この最初に出てくる白濁した清酒を荒走りといいます。

アルコール

アルコールにはたくさんの種類がありますが、酒類に含まれているエチルアルコールは、飲用に供せられる唯一のアルコールで、普通にアルコールと言えばエチルアルコールを指します。エチルアルコールは酒精とも呼ばれ、酔いをもたらす酒類の主要成分です。平均的な日本酒には13〜18%のアルコールが含まれており、醸造酒ではもっとも高アルコールの酒類と言えます。

稲麹

稲穂に麹カビが生えたもので、日本酒発祥の原点といわれています。何らかの事情で、麹カビの生えた稲が水と出会うと、アミラーゼの作用で糖分を多く含んだ甘酒になります。ここにたまたま酵母がやって来ると、この甘い汁は酵母の大好物で、その中の糖をどんどんアルコールに変えていきます。このように偶然できた酒が日本酒の原点だろうと言われています。

か行

枯らし

酒母ができあがってから仕込みに用いるまでの期間をいいます。枯らしが短いと、醪はすぐに発酵が盛んになり、前急といわれる発酵経過をとります。また、速醸酒母よりも生もと系酒母の方が長期の枯らしに耐えるといわれています。

燗(かん)

日本酒を温めることを言います。ぬる燗の温度は40℃前後、上燗は50℃前後と言われています。日本酒は温めて飲むことができる数少ない酒類の一つです。

生一本(きいっぽん)

「生(き)」はまじりっけのないことを意味し、生一本は単一の製造場だけで醸造した純米酒のことを指します。江戸時代から「灘の生一本」は銘酒の代名詞として使われてきました。

きき酒

「ききざけ」もしくは「ききしゅ」と言い、日本酒の味をみることを意味します。まず色を見て、次に香りを嗅ぎ、最後に口に含む、というのが一般的な方法です。

生もと

麹、蒸米、水を混ぜ合わせ、「もと摺り(山卸し)」と呼ばれる操作を行い、硝酸還元菌から乳酸菌、さらに酵母へと優先微生物を移行させていく方法です。できあがりまでの期間が長いことや、たいへん煩雑で多大な労力がかかることから廃れていましたが、近年復活の動きがあります。

吟醸酒

精米歩合60%以下の米を原料に使用し、低温長期発酵により造られた酒のことで、特定名称酒の一つです。製造コストがかかる上、高度な技術が必要です。リンゴやバナナのような華やかな香りを持っており、冷飲用に適しています。

栗香(くりか)

焼き栗のような香りで、麹菌が充分に繁殖し麹ができあがるころに発生します。良い麹ができた目安とされている香りです。

麹(こうじ)

ほとんどすべての酒類醸造の主役である酵母菌は糖分をアルコールに変換してエネルギーを得ています。たとえばブドウは糖分を多く含み、そのまま酵母によりアルコール発酵してワインができあがります。しかし日本酒の原料である米はデンプンが主成分で、このままでは酵母が作用することができません。ここで登場するのがカビの一種である麹菌です。麹菌はアミラーゼという酵素を分泌して米のデンプンを糖に分解します。そしてその糖を酵母がアルコールに変換します。これを搾ったものが日本酒です。なお、蒸した米に麹菌をはやしたものを麹といいます。

酵母

1ミリの100分の1程の大きさの単細胞微生物で、酒造りの担い手となるものです。酒は酵母が造り、人は酵母の手助けをするだけです。麹菌が糖化した糖分を酵母がアルコール発酵して酒ができます。

さ行

酒菜(さかな)

「肴」という言葉は、酒に添える菜という意味の「酒菜」が転じたものです。この場合の「菜」は、副食を意味し、魚や鳥なども含まれます。ただし、室町時代以前の肴といえば塩が一般的。よほどの貴族の酒宴以外、魚鳥類などは用意されなかったようです。盃のとなりに煮物や和え物が並び始めるのは江戸時代も中頃からです。ところで、関東と関西では肴の味付けにもかなり大きな違いがありますが、その原因が酒にあったという説をご存知でしょうか。当時、江戸の酒の大半は灘から樽廻船で運ばれたものでした。この搬送に要する期間は海上だけで半月。さらに問屋や小売店を介してようやく人々の口に入るわけですから、ひと月近く酒は杉樽の中で寝かされることになります。つまり、江戸っ子が飲む頃にはかなり強い木香がつきます。そんな酒には、やはり濃い味の肴があう。こうして形成されていったのが関東の味というわけです。一方、関西はというと、酒は造りたて、肴も新鮮な瀬戸内の魚が手に入るということで、次第に素材の味を楽しむ薄口派になっていったとのことです。この説、真偽のほどはともかくとして、酒席のよい「肴」になるとは思いませんか。

酒米(さかまい)

酒造りに適した米のことを言います。飯米とは違い、米粒の中心部に心白(しんぱく)という白色不透明部分を有するのが特徴です。山田錦、五百万石などが代表的な品種です。

酒粕

「もろみ」は圧搾して日本酒と残りの酒粕にわけられます。酒粕中には溶けていない米や麹、酵母が含まれており、栄養価の高いものです。

酸味を呈する成分で、日本酒にも乳酸、コハク酸などの酸が含まれています。酸があると味に幅と奥行きが出てきます。ただし多すぎると、すっぱく感じます。

酒母(しゅぼ又はもと)

醪(もろみ)の発酵を正常に行わせるために、いろいろな微生物の中から清酒酵母だけを純粋培養したものが酒母です。生もと、山廃もと、速醸もと、高温糖化もと、などがあります。

純米酒

米、米こうじ、水の原料だけから醸造した酒で、特定名称酒の一つです。純米酒には精米歩合の基準はありませんが、精米歩合表示が義務付けられています。一般には濃醇タイプが多いですが、白鶴淡麗純米のように純米酒でありながら淡麗という酒質を実現した商品もあります。

新酒

「新酒」とは読んで字のごとく、新しい酒のことですが、その定義となると一様ではありません。3通りの解釈があります。まず、その年に取れた米で、一番に醸された酒こそ新酒だとする説。俳句の世界でも「新酒」は秋の季語とされていますから、あるいはこれが本来の意味の新酒といえるかも知れません。もう1つの解釈は、酒造年度(7月1日〜6月30日)内に醸され、出荷された酒を新酒ということもあります。この場合、寒造りされ、ひと夏の貯蔵・熟成期間をおいて秋に出荷された酒は「古酒」とよびます。そして3番目の新酒の定義としては、広辞苑にもある通り「醸造したままで、まだ火入れをしていない清酒」を指す場合があります。

精米

原料米の外側部分を取り除く作業を言います。米の外側部分には、酒質を劣化させる脂肪分やタンパク質などが多く含まれているからです。精米の程度は精米歩合で表し、精米歩合が70%とは、外側30%を取り除いたことを意味します。

速醸酒母(そくじょうもと)

乳酸菌が生育するのを待たずに初めから乳酸を添加して酵母に適した環境をつくってから、別に純粋培養した酵母を加えて、短期間に安全に酒母を造る方法です。現在、ほとんどの蔵が速醸に類した酒母を採用しています。

た行

大吟醸酒

吟醸の中の吟醸で、米を半分以上削って仕込んだ非常に贅沢な酒です。仕込みには非常にデリケートな熟練技術が必要で、まさに杜氏の腕の見せ所、酒の芸術品とも言われます。

杜氏

酒蔵の最高責任者を言います。酒造りのメカニズムは、非常に複雑で繊細であるため、杜氏の熟練技術に頼るところが大いにあります。特に大吟醸などの酒は、原料や醸造法が同じでも、杜氏が変わるとでき栄えも全く違ったものになります。

特定名称酒

吟醸酒、大吟醸酒、純米酒、純米吟醸酒、純米大吟醸酒、特別純米酒、本醸造酒、特別本醸造酒の8種類の酒をいいます。この8種類は法律で、使用原料、精米歩合、香味、こうじ米使用割合などの要件が定められています。

な行

夏越(なごし)の酒

夏を越すお酒。何のことと疑問に思われる方も多いことでしょう。この「夏越」、もともとは悪霊や邪神を和(なご)めるという言葉に由来しています。一般的には「夏越の祓(はらい)」として知られ、毎年6月の晦日には神社で参詣人に茅(ちがや)というイネ科の植物で作った輪をくぐらせ、邪神をはらう神事が行われていました。一方、人々の間ではこの日は「夏越の節句」。山々から水神の河童が下りてくると言い伝えられ、馬、牛を洗い人々は沐浴(もくよく)で身を浄めて、梅雨の悪霊をはらうみそぎの酒「夏越の酒」をたらふく飲んだとか。

兵庫県南東部神戸市・西宮市の海沿いの地方に広がる日本酒の主産地を言います。現在約30社の日本酒メーカーがあり、日本酒の全国生産量の約3割が生産されています。

灘の寒造り

酒造りは古く待酒(来客のあるのを待って作る酒)のように時を定めず造られていましたが、江戸初期においても秋の彼岸から始まり、春に至る長期にわたって行われていました。そして造る季節順に製成される酒に区分がつけられていました。すなわち秋彼岸すぎから仕込む新酒(彼岸酒)・間酒(あいしゅ)、初冬に仕込む寒前酒(かんまえざけ)、厳冬に仕込む寒酒(かんしゅ)、春先に仕込む春酒(はるさけ)の5種類です。
寒造りと称するのは「冬至もと」に始まり、年間の最も寒い季節を選んで行われる酒造りで、酒造条件として理想的な条件(気温も低くまた寒の水は腐らないとされるなど)にあるため、醸出される酒の品質は最良です。江戸時代はこの酒を寒酒と呼び、酒価は最高であり、寒前酒がこれに次ぎました。寒造りは江戸中期に完成され、灘は寒造りを主体とする酒造法を積極的に進め、酒質の向上をはかりました。灘酒興隆の一因はここにあるとされています。因みに暦上の「寒」は小寒から節分までの約30日をいい、通常1月5〜6日から2月4〜5日までの期間を指します。

生酒・生貯蔵酒

生酒は熱処理を全くしていない酒で、生貯蔵酒は熱処理しないで貯蔵しておき、製品として出荷するときに加熱殺菌した酒です。いずれも、しぼりたての風味を味わえる酒で、主に冷酒で飲用されます。

日本酒の原料

日本酒(清酒)の原料は、酒税法により、米、米こうじ、水、清酒かす、その他政令で定める物品と定められています。その他政令で定める物品とは、醸造アルコール、醸造糖類、酸味料などです。

濃淡(濃醇・淡麗)

日本酒の味を表現する言葉で、濃醇はコクがあって深みのある味を言い、淡麗は滑らかできれいな味を言います。最近の傾向として淡麗タイプの酒が好まれているようです。

呑切り(のみきり)

「呑切り」とは熟成途中の酒質をチェックすることです。酒造技術が未発達だった頃は、火入れ(加熱)した新酒も、貯蔵中に火落ち(腐敗)することがしばしばありました。このため火入れ後しばらくして、貯蔵庫内の酒が順調に熟成しているか調べるためにはじめられたのが呑切りという習慣です。呑切りは通常、6月から7月の晴天の日を選び、早朝に行われます。最初に酒をきくのが杜氏。タンクから酒を少量とり、きき猪口に移します。杜氏は「切り鼻」と呼ばれる酒の匂いをかぎ、色や「てり」を見、口に含んで予想通りに熟成が進んでいることを確認します。その後、全員で酒をきき、熟成の具合をお互いに確かめ合うというのが大体の呑切りの順序です。酒造技術の進歩やコンピュータの導入により、火落ちも皆無になった現代ですが、それでもやはり呑切りは続けられています。万に一つの間違いもないとはいえ、まだ解明されていない部分も多いのが酒造り。呑切りにのぞむ杜氏たちの緊張は昔も今も変わりません。

は行

破精(はぜ)

蒸米への麹菌の繁殖の具合をいう用語で、蒸米表面全体に浅く繁殖したものを「塗り破精」、深く繁殖したものを「総破精」、斑点状に深く食い込むように繁殖したものを「突き破精」などといいます。これらは蒸米や製麹でコントロール出来、用途に応じて造り分けられます。

散麹(ばらこうじ)

日本酒独特の麹で、蒸した米にコウジカビが生育したもの。短期間(2日)に品質の良い糖化力の強い麹ができあがります。

火入れ

日本酒の保存性を高めることを目的に、新酒などを加熱する操作を言います。一般には、62〜65℃に加熱し、貯蔵タンクに送り、密閉貯蔵します。この操作は、室町時代に発明されたと言われています。

火前樽酒(ひまえたるざけ)

新酒を正式火入れ(昔は八十八夜前後)の前に樽に直接火入れをして出荷したものをいいます。

冷卸(ひやおろし)

貯蔵桶から外気と同温程度に冷めた清酒をそのまま樽詰出荷することをいいます。灘では9月以降は冷卸が原則でした。

本醸造酒

米、米こうじ、水、醸造アルコールだけを原料に醸造された酒で、特定名称酒の一つです。醸造アルコールの使用量は白米重量の10%以下に定められており、精米歩合も70%以下に定められています。

ま行

餅麹(もちこうじ)

中国などで用いられる麹で、麦などを挽いて粉にして固め、クモノスカビなどのカビを生やしたもの。麹造りに長期間(20日以上)かかり品質も安定しにくい。

や行

山卸し廃止もと
(やまおろしはいしもと、山廃)

酒造りは「一麹、二もと、三造り」といわれます。これは、工程の順番を表すとともに、その重要度の順番でもあります。「山廃」は工程順でいえば2番目の“もと”に関連した言葉です。この「山廃」、正しくは「山卸し廃止もと」といいます。では「山卸し」とは何かですが、これは、もと(麹、蒸し米、水の混合物で最終的には酵母が繁殖します)を櫂(かい)ですりつぶしていく作業のこと。蔵人たちの体力が最も要求される仕事で、しかも厳冬の時期の深夜に行われました。
この苛酷な「山卸し」作業を「廃止」できたのは、麹の酵素が自然に米粒を溶解していくということが判明したためです。それが、明治40年のこと。そして3年後には、乳酸による「もと」造りの方法が開発されました。仕込み期間を大幅に短縮できることから、「速醸もと」と呼ばれ、現在の「もと」の大半を占めています。
ところで「もと」の違いは、酒質にも大きな影響を与えます。ある程度時間を要する「山廃もと」で造られる酒は濃醇で、ふくらみのある味。一方、「速醸もと」では淡麗で、キレのよい酒となります。「速醸もと」が主流になったのは、淡麗タイプを好む愛飲家が主流になったから、とでも言えましょうね。

山田錦

酒米の代表として灘酒とともに育ってきた酒造りに最良の米です。大正12年に兵庫県農業試験場で、山田穂を母とし、短稈渡船を父として人工交配を行って選抜された品種で、昭和11年に山田錦と命名されました。その後、幾度か品種改良が行われましたが、現在もなお酒米の王者として君臨しています。

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