最⾼峰を⽬指した
独⾃開発⽶「⽩鶴錦」

水と並び、良い日本酒をつくるために最も重要な原料の一つが米です。その品質は日本酒の味わいを大きく左右します。
1743年の創業以来、酒をつくり続けきた私たちがより美味しい日本酒をつくるために
白鶴の酒づくりに適したオリジナルの酒米「白鶴錦」を開発しました。

酒米づくり、決断の日

「酒米(さかまい)」または「酒造好適米」と呼ばれる酒づくりに適した米。
その数ある酒米の中で、「酒米の王者」とも称され、最も優れた品種として認知されているのが兵庫県産の山田錦です。

1990年、私たちは「山田錦に勝るとも劣らない酒米を生み出す」という志のもと、新しい酒米の開発に取り組み始めました。その志の根幹には、お客様のもとへ、より良質な日本酒を届けることで日本酒の業界を、ひいては日本酒の「未来」を輝かしいものにしていきたいという強い想いがありました。

王者を超えるために

品種改良は一般的に、優良品種と別の優良品種を掛け合わせることで新たな優良子品種を開発します。しかし、この方法では山田錦を超える子品種を得ることはできませんでした。
そこで、私たちは原点に戻り、山田錦の親品種である山田穂と短稈渡船を掛け合わせることで山田錦を超える酒米を開発するしかないと考えたのです。

ところが、そこには大きな問題が立ちふさがっていました。
母親品種である山田穂は背が高く倒れやすいという栽培上の難しさから、昭和初期を最後に生産されなくなった「幻の米」だったのです。

そのため、私たちの挑戦は「幻」を復活させることから始まりました。

幻がよみがえる

山田穂を復活させる。そのためには、米の種籾(たねもみ)を手に入れる必要がありました。
そこで、全国の農業関係者と研究者に問い合わせ、種籾を持っている可能性のある知り合いを紹介してもらい、ようやく一握りの種籾を手に入れることができたのです。

貴重な山田穂の種籾。その栽培を絶対に成功させるために、栽培する土地は慎重に選ばれました。「山田錦の里」といわれる山田錦のふるさと、兵庫県美嚢郡吉川町(みのうぐん・よかわちょう/現・三木市)。その水田の一角に土地を借りて、栽培が始まりました。
丁寧に、確実に手入れを行い、その年の秋、山田穂を収穫することに成功。
一年ごとに収穫量を増やし、4年後にようやく日本酒が醸造できるほどの量を得られるようになりました。

白鶴錦 誕生

酒米開発に取り組み始めて5年目となる1995年。ついに、新品種開発のために山田穂と渡船の交配を行いました。山田錦が誕生した1923年の交配以来、約70年ぶりのことです。

その年の秋、800系統におよぶ山田錦の兄弟米を収穫。その中から優れた米100系統を選んで栽培し、さらに3年目はより優れた米を選びぬく。この選抜固定の栽培を繰り返すこと8年目の2003年、ついに山田錦にも劣らない品質の米が生まれました。

かつてない新しい酒米の開発を目標に掲げてから13年。白鶴酒造が手塩にかけて育て上げた期待の米であることから「白鶴錦(はくつるにしき)」と命名。2007年2月20日、農林水産省で品種登録がめでたく受理されました。

白鶴錦の品質向上に加えて、新たな特性を見いだせるように、研究は今も続いています。また、2012年からは他社への白鶴錦の供給を開始。白鶴錦を通じた業界全体を盛り上げる取り組みも拡大しています。

白鶴錦の足跡

1990年
酒米開発を開始。「幻の米」山田穂の種籾を発見
1991年
山田穂を栽培・収穫。60年ぶりに復活
1995年
山田穂と渡船を約70年ぶりに交配
2004年
品種名「白鶴錦」として品種登録申請・出願公表
2006年
兵庫県多可郡多可町で契約栽培を開始
2007年
2月20日 品種名「白鶴錦」として品種登録受理
2012年
高木酒造(十四代)に白鶴錦を供給し、他社での醸造を開始
2015年
「白鶴ファーム株式会社」を設立し、同社で白鶴錦栽培を開始
2019年
白鶴錦の他社への供給が10社となる

白鶴錦の特徴

  • 大粒で心白が大きい
  • 雑味の素となるタンパク質や脂質が少ない
  • お米を磨く際に割れにくい
  • 稲の背丈が低く倒れにくいので栽培が比較的容易
白鶴錦の特徴

酒米づくり、決断の日

王者を超えるために

幻がよみがえる

白鶴錦誕生

白鶴錦の特徴